Japanese
English
治療経験
失語症に記憶障害を合併した頭部外傷例に対する人名学習訓練
Face-name learning therapy for head injury patient with memory disorder and aphasia.
外山 稔
1
,
飯干 紀代子
2
,
笠井 新一郎
2
,
森 淳一
1
,
倉内 紀子
2
,
吉留 宏明
3
Minoru Toyama
1
,
Kiyoko Iiboshi
2
,
Shinichirou Kasai
2
,
Junichi Mori
1
,
Noriko Kurauchi
2
,
Hiroaki Yoshidome
3
1湯布院厚生年金病院リハビリテーション室
2九州保健福祉大学言語聴覚療法学科
3湯布院厚生年金病院神経内科
1Department of Rehabilitaiton Medicine, Yufuin Kouseinenkin Hospital
2Department of Speech-Language-Hearing Therapy, Kyushu University of Health and Welfare
3Department of Neurology Medicine, Yufuin Kouseinenkin Hospital
キーワード:
頭部外傷
,
記憶障害
,
失語症
,
人名学習
,
音韻ループ
Keyword:
頭部外傷
,
記憶障害
,
失語症
,
人名学習
,
音韻ループ
pp.1191-1196
発行日 2004年12月10日
Published Date 2004/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100687
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はじめに
頭部外傷患者では,受傷時の衝撃による広範囲な大脳損傷により,失語症や記憶障害等,複雑かつ多様な障害像を呈することがある.
今回,失語症に記憶障害を合併した頭部外傷例に対し,人名学習訓練を実施した.従来の顔の記憶研究では,意図記憶課題(顔写真を意図して覚える)の結果に基づいて議論が進められてきた1)ため,日常生活での顔の認識や認識と記憶の連続性に配慮した記憶訓練は報告されていない.加えて吉川1)は,机上の意図記憶課題と実際のコミュニケーション場面とでは,顔の認識過程が異なり,形成される記憶像に差が生じることを示唆している.
今回の人名学習訓練は,日常生活における顔の認識,記憶の連続性を考慮し,記憶訓練の基礎的技法である領域特異的訓練,errorless learningに加え,日常生活場面を想定した刺激提示を行った.今回行った記憶訓練,経過を分析し,考察を加えて報告する.
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