学会印象記
日本リハビリテーション連携科学学会第5回大会
野中 猛
1
1日本福祉大学
pp.696-697
発行日 2004年7月10日
Published Date 2004/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100623
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日本リハビリテーション連携科学学会第5回大会は,2004年3月20日(土),21日(日)の両日,茨城県立医療大学を会場にして開催された.参加総数は213名とこぢんまりしているが,討議された内容は幅広く総合的である.小学会の良さで意外な出会いや親密な交流ができた.
1日目の大会長基調講演は大田仁史氏(茨城県立医療大学)によるものである.「高齢者のリハビリテーション」と題して,介護予防とリハビリテーションの関係性を整理し,両者ともに必要であると熱弁をふるわれた.ここではリハビリテーションを「障害のある人が,最良の心身の状況を獲得し,年齢や障害の程度に応じ,その地域に住む人々と,あらゆる面で同水準の生活がなされることである」と定義し,介護予防を「介護を要する状態を引き起こさないために,また介護を要する状態の進展を防ぎその軽減を図るために,自助努力を基軸とした保健・医療・福祉等の立場からなされる多面的なアプローチである」と不満足ながら定義された.介護予防とリハビリテーションを前後に位置づけるのではなく,常に同時に必要であり,特に予後を分ける要因である「寝たきり」や「外出」をめぐるリハビリテーション,終末期においても尊厳を守るリハビリテーションの重要性を強調した.
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