連載 嚥下障害食
食事の安全性とテクスチャー
大越 ひろ
1
1日本女子大学家政学部食物学科
キーワード:
テクスチャー
,
食形態
,
嚥下
Keyword:
テクスチャー
,
食形態
,
嚥下
pp.800-801
発行日 2006年8月10日
Published Date 2006/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100364
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連載の第1回目では,嚥下障害のある患者にとって,口から食べることの大切さ,さらには,誤嚥せずに,安全に食事をとることができるためには,どのような食形態が必要であるかが述べられた.今回は,食事を安全性の視点からみたときの食べ物のテクスチャー(食感)について解説したい.
安全な食事とは
食事を食べる段階で重要なことは,第一に,食べ物が目で見ておいしいと感じられること,第二には,食べ物を口に取り込み,咀嚼して,唾液と混ぜ合わせ,飲み込める状態(食塊)にできること,第三に,食塊を咽頭へ送り込み,気管に入ることなく咽頭を安全に通過させ,食道を経由し,胃へと送り込むことである.しかし,安全な食塊を作ることができず,食塊を咽頭へ送り込むことが困難な人もおり,個々の患者の摂食・嚥下機能障害の程度によって,食事への要求度は異なってくる.
食形態が適切であっても,一回に口に取り込むことが可能な量がどの程度なのか,食事の時の姿勢はどうであろうかなど,食事介助も含めて,安全に食事をとるためにはさまざまな要因が関わっている.
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