Japanese
English
原著
痤瘡患者における掻破行動の実態調査
Scratch behavior of acne patients
林 伸和
1
,
小林 美咲
2
,
細谷 律子
3
,
前口 瑞恵
4
,
山田 美奈
5
,
北原 比呂人
6
,
杼木 真理子
7
,
秋吉 栄美子
8
,
川島 眞
1
Nobukazu HAYASHI
1
,
Misaki KOBAYASHI
2
,
Ritsuko HOSOYA
3
,
Mizue MAEGUCHI
4
,
Mina YAMADA
5
,
Hiroto KITAHARA
6
,
Mariko TOCHIKI
7
,
Emiko AKIYOSHI
8
,
Makoto KAWASHIMA
1
1東京女子医科大学皮膚科学教室
2小林皮膚科医院
3細谷皮フ科
4新宿南口皮膚科
5四谷三丁目皮膚科
6北原皮膚科
7北松戸皮膚科クリニック
8えみ子皮膚科クリニック
1Department of Dermatology, Tokyo Women's Medical University
2Kobayashi Dermatological Clinic
3Hosoya Dermatological Clinic
4Shinjuku-Minamiguchi Skin Clinic
5Yotsuya-Sanchome Skin Care Clinic
6Kitahara Dermatology Clinic
7Kitamatsudo Dermatological Clinic
8Emiko Dermatological Clinic
キーワード:
痤瘡
,
掻破行動
,
アンケート調査
Keyword:
痤瘡
,
掻破行動
,
アンケート調査
pp.387-391
発行日 2002年5月1日
Published Date 2002/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903968
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139名の痤瘡患者を対象に掻破行動についてアンケート調査を行った.何らかの掻破行動があると答えた患者は89.2%であった.掻破行動の内容は,昼間は,何となく触る(66.1%),つぶす(49.2%)が多く,洗顔時は,つぶすと答えた患者が58.9%で,夜間は,寝床に入ると掻いてしまうことがある(48.6%),朝,掻き傷ができている(21.6%)であった.掻破の理由は,86.9%の患者が気になるからと答えていた.一方で,皮膚に触ることは悪いと意識している患者が86.7%いた.
習慣性の掻破行動は,長時間の皮膚に対する圧迫もしくは接触と同様の機序で増悪因子となりうるが,何となく触ってしまう,寝床に入ると掻いてしまうという行為は,習慣性の無意識の行動であり,つぶすことや皮をむくといった座瘡を積極的に触る行為とは異なっている.無意識の習慣性の掻破行動は,痤瘡患者の半数以上で認められ,今後の患者指導の中で重要な点と思われた.
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