Japanese
English
調査
障害が比較的軽度で作業療法部門に長期通院する壮年中途身体障害者に関する調査研究―作業療法士に対するアンケート調査より
Research on the need for continuing to occupational therapy out-patients sessions by patients with mild physical disabilities in the prime of their life: A questionnaire survey of occupational therapists.
近藤 敏
1
,
宮前 珠子
2
Satoshi Kondo
1
,
Tamako Miyamae
2
1広島大学大学院医学系研究科
2広島大学医学部保健学科
1Hiroshima University Graduate School of Medical Science
2Faculty of Health Science, Hiroshima University School of Medicine
キーワード:
長期通院
,
中途障害
,
作業療法
Keyword:
長期通院
,
中途障害
,
作業療法
pp.655-662
発行日 2002年7月10日
Published Date 2002/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109811
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はじめに
病院のリハビリテーション科外来には,移動能力と比較的体力のある壮年の中途身体障害者が,何年にもわたって通院し続ける姿が少なからず見受けられる.外来での指導は,個々の生活に近接した状況で大川ら1)の主張する目標指向的アプローチが生かせる反面,対応を誤ると漫然と機能回復を目指す訓練に終始する恐れがある.辻下ら2)は,2年以上継続し,週1回以上外来受診している慢性疾患患者に対する理学療法が,自己満足的な治療的アプローチに陥っていることを指摘している.
作業療法においても従来,既に回復期を過ぎた患者が長期間にわたり通い続けることがあっても,身体機能の維持や社会的交流の機会として容認してきたように思われる.しかし,稼働年齢で,しかも身体機能もさほど問題がないと考えられる患者が,何を目的に長期間通院するのか,果たして満足しているのか,よく分かっていない.多くの作業療法部門にこのような患者が存在すると思われるが,その実態は明らかでない.
本研究の目的は,1)障害が比較的軽度にもかかわらず,作業療法に長期間通い続けている壮年中途身体障害者がどの位いるのか,2)何を目的に長期間,通い続けているのか,3)作業療法士はそれをどう捉え,どう対応しているのか,について,その実情を明らかにし,今後の作業療法への示唆を得ることにある.
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