Sweet Spot 文学に見るリハビリテーション
川端康成の『たんぽぽ』―ありうべきもう一つの可能性
高橋 正雄
1
1筑波大学心身障害学系
pp.394
発行日 2006年4月10日
Published Date 2006/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100291
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ノーベル賞の受賞によって中断された川端康成の未完の小説『たんぽぽ』(昭和39年~43年)には,稲子という女性の父親の死をめぐる障害受容的な考え方が示されている.
旧陸軍将校であった稲子の父親は,終戦後ある乗馬倶楽部の教師になった.しかし,その乗馬倶楽部に通っていた未亡人との間にあらぬ噂が立ったため,稲子の母親は,夫の監視と浮気防止のために,娘の稲子を馬場へ連れていかせるようにしたのである.
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