Japanese
English
症例報告
スケジュールに沿った自発的行動が可能となった遂行機能障害の1症例
A rehabilitation approach to spontaneous behavior to schedule in patients with executive dysfunction:a case report.
福本 倫之
1
,
登坂 めぐみ
1
,
長谷川 紀子
1
,
松永 潤
1
,
粟田 修司
1
,
問川 博之
1
Noriyuki Fukumoto
1
,
Megumi Tosaka
1
,
Noriko Hasegawa
1
,
Jun Matsunaga
1
,
Syuji Awata
1
,
Hiroyuki Toikawa
1
1稲城市立病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Inagi Municipal Hospital
キーワード:
頭部外傷
,
遂行機能
,
認知訓練
,
自発的行動
Keyword:
頭部外傷
,
遂行機能
,
認知訓練
,
自発的行動
pp.967-972
発行日 2005年10月10日
Published Date 2005/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100198
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はじめに
一般的に頭部外傷後は,身体障害のみならず,認知障害,行動障害など,前頭葉症状を含めた多彩な高次脳機能障害をきたすことが多い.なかでも遂行機能障害は,その前頭葉症状の中核をなすと考えられている1).
遂行機能についてLezak2)は,「目的をもった一連の行動を自立して有効に成し遂げるために必要な機能である」と定義し,人間が社会的・自立的・創造的な活動を行うのに不可欠であると述べている.したがって,復職や社会復帰を目指す患者にとって,遂行機能の改善はきわめて重要な課題であるが,日常生活における自発的行動に着目した認知リハビリテーションの報告は少ない.
今回われわれは,頭部外傷後に遂行機能障害を中核とした高次脳機能障害を呈した症例に対し,主に日常生活における自発的行動を促すための認知訓練を行い,自己スケジュールに沿った自発的行動や手段的日常生活活動(IADL)の獲得に効果が得られたので,若干の考察を加えて報告する.
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