Japanese
English
症例報告
重度記憶障害患者に対して段階づけた外的補助手段の活用がスケジュール管理に有効であった1症例
A case study of a patient with severe memory impairment who benefited from the use of graded external aids for scheduling
渡辺 裕生
1
,
瀬川 大
1
,
福本 倫之
1
Yuki Watanabe
1
,
Dai Segawa
1
,
Noriyuki Fukumoto
1
1大和大学保健医療学部総合リハビリテーション学科
1Department of Rehabilitation, Faculty of Allied Health Sciences, Yamato University
キーワード:
記憶障害
,
外的代償法
,
病識
Keyword:
記憶障害
,
外的代償法
,
病識
pp.289-292
発行日 2024年3月10日
Published Date 2024/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552203071
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨 [はじめに]重度記憶障害と病態失認を呈した症例に対して外的代償法を用いて段階的にアプローチをしたところ,手帳の有効活用によってスケジュール管理能力や病識の改善が得られたので報告する.[症例]前交通動脈瘤破裂によるくも膜下出血を発症し,開頭クリッピング術を施行された40歳台の男性であった.1か月後にリハビリテーション継続目的で転入院となり,リハビリテーションが開始された.リバーミード行動記憶検査の標準プロフィール点が5/24点であった.The Patient Competency Rating Scaleにおいて本人,家族と医療者の間で認識の相違を認めた.[方法]症例が愛用している手帳を用いて,① 手帳の確認,② 手帳の使用,③ 手帳の活用からなる段階づけたアプローチを行った.[結果]訓練スケジュール管理や病識の改善が得られた.また,外的補助手段を繰り返し活用することで病識への気づきにつながる可能性が示された.
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.