Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「HINOKIO(ヒノキオ)」―“不登校・引きこもり”当事者のツールとしてのロボット
二通 諭
1
1千歳市立北進中学校
pp.885
発行日 2005年9月10日
Published Date 2005/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100184
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LDやADHDや高機能自閉症,アスペルガー症候群の子どもって昔からいたんでしょ? 最近ものすごく騒がれているけれど増えているのですか? という質問がちょくちょく寄せられる.たしかに昔からいたであろうし,最近とみに目立ってきていることもたしかである.また,不登校や引きこもりの一部はそれらの二次障害ではないかと言われている.では,昔もいたであろうこれらの子どもたちがなぜ目立つようになってきたのか.それは,多くの識者が指摘しているように,子どもたちの生活の仕方が変化したことも一因のはず.
昭和30年代,40年代前半あたりまでなら,まだゆったりとした子どもの時間があった.遊び場としての山や川,原っぱに路地裏,ガキ大将を頂点とする子ども集団,母たちからの“ごはんだよ”の呼び声,美しい夕焼け.これについては「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ! オトナ帝国の逆襲」が必見! 敵役があの時代の空間を創りだし,そこに大人たちを引っ張り込むというハイレベルな問題作だ.敵が悪に見えないことも凄い.
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