Japanese
English
特集 高齢切断と義肢
評価
Evaluation of geriatric amputees.
陳 隆明
1
Takaaki Chin
1
1兵庫県立総合リハビリテーションセンター
1Hyogo Rehabilitation Center
キーワード:
末梢血行障害
,
高齢下肢切断者
,
義足歩行
Keyword:
末梢血行障害
,
高齢下肢切断者
,
義足歩行
pp.209-215
発行日 2005年3月10日
Published Date 2005/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100056
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はじめに
欧米諸国における切断原因の主要なものは末梢血行障害である.近年,日本においても末梢血行障害による高齢下肢切断者が増加してきており,下肢切断のリハビリテーション対象者のなかできわめて大きな割合を占めている.日本では,下肢切断原因について全国的に行った調査は皆無であるが,これまでに,澤村らの兵庫県下の調査1),林らの大阪府下での調査2),さらに武智や長島らの岡山県下の調査3)などが散見される.これらの報告をまとめると,近年の日本における下肢切断原因の60%以上が末梢血行障害であり,その原因疾患のほとんどが閉塞性動脈硬化症(ASO)と糖尿病である.さらに切断時年齢も60歳以上が大半である.
高齢切断者は,多くの場合,動脈硬化に基づく併存疾患を有し,心肺系のフィットネス(体力)の低下を伴っているため,リハビリテーションを進めていくうえで困難な問題が山積みされている.高齢切断者のリハビリテーションは,個々の症例を十分に評価把握し,リハビリテーション開始前にできる限り明確なリハビリテーションゴール設定がなされていることが理想的である.しかしながら,現実には個々の高齢切断者の機能予後を予測することはきわめて困難である.
本稿では,経験論に頼らず,できる限り客観的なエビデンスに基づいた評価方法について述べる.
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