全身性エリテマトーデス

Systemic lupus erythematosus.

はじめに

　全身性エリテマトーデス（SLE）は，ステロイド・免疫抑制剤による治療法の開発によりその生命予後は著しく改善し，現在では難治性の病態，特に肺病変・臓器不全を伴った症例の生命予後の改善に主眼が向けられている．しかしながら，SLEのもつ臓器障害を克服し，寛解状態が維持できたとしてもQOL（quality of life），機能的予後が問題になり，日常生活が制限されることもある．さらに治療薬，特にステロイドによる副作用も，患者のQOL，機能的予後に影響を及ぼす一因となっている．

　QOLの障害は多岐にわたり，臓器障害によるもの，治療の副作用によるもの，社会的な要因によるものなどがあり，それぞれの内容を十分吟味して対応する必要がある．今後はこれらのQOL，機能的予後の改善を含め，よりよい日常生活を過ごせるように，積極的にリハビリテーションに取り組んでいくことも治療の一環として重要と思われる．