連載 難しい症例のみかた・第5回
糖尿病を有し,足部潰瘍により入院となった多疾患合併症例への対応
田村 由馬
1
,
髙橋 もも
1
Yuma TAMURA
1
,
Momo TAKAHASHI
1
1獨協医科大学日光医療センターリハビリテーション科
pp.1354-1356
発行日 2023年11月15日
Published Date 2023/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551203254
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糖尿病患者数は年々増加傾向にあり,高齢者がその多くを占める1).糖尿病の代表的な合併症は細小血管障害による糖尿病性網膜症,末梢神経障害,糖尿病性腎症であり,多様な臨床症状を呈し,日常生活に制限を加える可能性がある.また糖尿病は心血管疾患の基礎疾患として理学療法の対象患者においても多く合併する.
糖尿病は虚血性心疾患(coronary artery disease:CAD)より下肢動脈疾患(lower extremity artery disease:LEAD)の合併に強く影響し2),糖尿病患者の19〜34%は生涯にわたって足潰瘍に悩まされるといわれている3).REACH registryでは,LEADの約50%にCAD,約25%に脳卒中を合併していると報告されている4).
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