卒業論文のひろば
半腱様筋の伸張低下が下肢伸展挙上の制限に影響する
木村 美月
1,2
,
室伏 祐介
1
,
石田 優月
1
,
鈴木 克彦
1
1山形県立保健医療大学保健医療学部理学療法学科
2至誠堂総合病院リハビリテーション科
pp.1261-1265
発行日 2023年10月15日
Published Date 2023/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551203230
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要旨 目的は半腱様筋と大腿二頭筋長頭の伸張低下が下肢伸展挙上(straight leg raising test:SLR)制限の要因となるかを明らかにすることである.健常成人女性10名を対象にSLR 75°未満(制限あり群)と75°以上(制限なし群)の2群に分け,せん断波エラストグラフィを用いて股60°屈曲位における膝屈曲60,30,0°の半腱様筋および大腿二頭筋長頭の弾性率を左右測定した.膝屈曲60,30,0°の膝伸展により,半腱様筋および大腿二頭筋長頭の弾性率は増加を示した.しかし半腱様筋において,SLR制限あり群のみ屈曲30°から0°で弾性率変化量の増加を認めなかった.以上より,SLR制限の要因は,膝関節屈曲30°位から完全伸展におけるSTの伸張低下と関連している可能性が示された.
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