Close-up 最新物理療法
拡散型圧力波治療
大森 康高
1
,
杉浦 史郎
1,2
,
西川 悟
3
Yasutaka OMORI
1
,
Shiro SUGIURA
1,2
,
Satoru NISHIKAWA
3
1西川整形外科リハビリテーション部
2千葉大学大学院医学研究院環境生命医学
3西川整形外科
キーワード:
拡散型圧力波
,
radial pressure wave
,
集束型体外衝撃波
,
focused shock wave
,
Visual Analogue Scale
,
VAS
Keyword:
拡散型圧力波
,
radial pressure wave
,
集束型体外衝撃波
,
focused shock wave
,
Visual Analogue Scale
,
VAS
pp.451-456
発行日 2023年4月15日
Published Date 2023/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551203022
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はじめに
体外衝撃波治療(extracorporeal shock wave therapy)の歴史は結石破砕治療から始まった.整形外科領域では骨形成誘導能を利用して,骨折の遷延癒合・偽関節の治療に用いられた1)という背景がある.本邦でも基礎研究が行われ2),2012年に難治性足底腱膜炎に対する保険診療が認められた.
体外衝撃波治療の適応疾患や禁忌事項については,2016年に国際衝撃波学会(International Society for Medical Shockwave Treatment:ISMST)により発表されたコンセンサス3)が普及し,さまざまな疾患に行われている.
体外衝撃波は集束型体外衝撃波(focused shock wave:FSW)と拡散型圧力波(radial pres-sure wave:RPW)の2つに分けられる.FSWとRPWの違いは,FSWは衝撃波を集束させて高いエネルギーを深部に到達することが可能であるのに対し,RPWはエネルギーが放射状に伝播するため浅い領域で有効である3)という点である.疾患や治療部位の深度,組織(皮膚,筋膜,筋,腱,脂肪体,靱帯,関節包,骨など)を考え,選択する必要性がある.
西川整形外科(以下,当院)では2017年からRPW(フィジオショックマスター®,Gymna社)を導入し体外衝撃波治療を実施している.本稿では,体外衝撃波治療の臨床効果,禁忌事項とRPW治療の有害事象,当院で実施してきた臨床応用について解説する.
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