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はじめに
大阪市長居障がい者スポーツセンターは,大阪市が1974年に開設した全国初の障がい者スポーツセンターである.当初,対象は身体障がいのある人のみであったが,50年の歩みのなかで3障がいすべてに拡大した.現在ではスポーツ指導,普及事業,国内外の大会開催,研修会・講習会の実施など幅広い活動を展開している.全国では大都市圏を中心に障がい者スポーツセンターが29か所,障がい者専用・優先スポーツ施設が161施設以上設置され,「共生社会」の実現に向けた基盤整備が進められている(2025年時点).
東京2020パラリンピック競技大会(以下,東京パラ)はパラスポーツの認知度を飛躍的に向上させた.それにとどまらず,社会の関心は競技そのものを超えて,医療や教育現場,インフラ整備,共生社会の実現へと広がり,東京パラは多方面にわたるレガシーを残すことになった.この変化は現場でも実感できるものであった.筆者が勤務していた長居障がい者スポーツセンターでは「パラスポーツをしたいけれど,どうしたらいいですか……」という問い合わせが急増し,健常者ボランティアや「重度の障がいがあってもパラスポーツを楽しめる」という口コミによる来館者が増加した.
しかし,こうした追い風にもかかわらず,障がい者のスポーツ参加率は一般成人と比較して依然として低く,特に高齢者や重度障がい者においてその差は顕著である1).さらに,パラスポーツ実践の機会には地域間格差が存在し,すべての人が日常的にアクセスできる環境は整っていないのが現状である2).そこで本稿は,地域におけるパラスポーツ実践の現状と課題について,大阪での具体的事例を交えながら概説し,今後の展望を考察する.

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