連載 画像評価—何を読み取る? どう活かす?・第10回
慢性心不全—軽症〜中等症
西原 浩真
1
,
岩田 健太郎
1
Hiromasa NISHIHARA
1
,
Kentaro IWATA
1
1神戸市立医療センター中央市民病院リハビリテーション技術部
pp.1123-1126
発行日 2022年10月15日
Published Date 2022/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202809
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症例情報
訪問リハビリテーションの利用者の様子がおかしい?
患者:84歳,女性
現病歴:81歳から,慢性心不全に対して理学療法を行うため,訪問リハビリテーションを利用し始めた.患者の娘より,患者は3か月前の7月中旬から夜寝苦しさの訴えがあり,日中の活動量も減ってきているとのこと.歩行練習中の息切れ,倦怠感,下肢の重だるさがあり,靴下が履きにくい状態であった.歩行練習後のバイタルサインは血圧165/76mmHg,心拍数87bpm,酸素飽和度93%.先週と比べ,血圧は上昇し,酸素飽和度はやや低下していた.しかし,運動後に血圧の低下はなく,酸素化も90%以上であったため,リハビリテーション中止基準を満たさないと判断した.歩行練習を継続したところ,息切れが目立つ状態であった.娘は「やっぱり,夏バテか何かで疲労しやすいのでしょうか?」と心配していたが,安静時のバイタルサインは問題なく,その日は歩行練習のみ実施し,終了した.翌朝,患者が急変し,慢性心不全の急性増悪で入院することになった.
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