Close-up 脳卒中の装具療法
上肢装具の適用
竹林 崇
1
Takashi TAKEBAYASHI
1
1大阪府立大学地域保健学域総合リハビリテーション学類作業療法学専攻
キーワード:
脳卒中
,
上肢麻痺
,
装具療法
Keyword:
脳卒中
,
上肢麻痺
,
装具療法
pp.836-839
発行日 2022年7月15日
Published Date 2022/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202738
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はじめに
脳卒中後に生じる後遺症の一つに上肢麻痺に伴う運動障害がある.この代表的な後遺症は,脳卒中を発症した患者の50%以上に残存し1),対象者の作業(重要な活動)の再獲得や社会参加の障壁となっており,QOLの低下にも影響を与えていると報告されている.その後遺症に対して,昨今多くのアプローチが考案されている.特に,米国心臓/脳卒中ガイドライン2)にも示されている,課題指向型アプローチ,constraint-induced movement therapy(以下,CI療法),電気刺激療法,メンタルプラクティス,練習量を確保するためのロボット療法は効果のエビデンスが確立し,推奨されている.
ただし,これらの療法以外にも,脳卒中後に生じる上肢麻痺に伴う運動障害に対して,伝統的に臨床において用いられている方法は存在しており,装具療法もその一つと言われている3).装具療法で用いられる装具とは,「神経骨格系の構造および機能的特徴を修正するために使用される外付けの道具」と定義されている4).したがって,それらをアプローチのなかで用いた介入が装具療法とされる.
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