Japanese
English
症例報告
腓腹筋筋膜内解離を生じた症例に対する運動療法—超音波画像診断装置による損傷部位の同定と経過観察の有用性
Exercise therapy for cases of intrafascial dissection of the gastrocnemius muscle: usefulness of identification and follow-up of damaged sites by ultrasound diagnostic imaging equipment
山本 紘之
1
,
井坂 晴志
1
,
岡本 和之
1
Hiroyuki YAMAMOTO
1
,
Hiroshi ISAKA
1
,
Kazuyuki OKAMOTO
1
1医療法人優進会いまむら整形外科リハビリテーション科
キーワード:
腓腹筋
,
筋膜内解離
,
超音波画像診断装置
,
運動療法
Keyword:
腓腹筋
,
筋膜内解離
,
超音波画像診断装置
,
運動療法
pp.1280-1285
発行日 2021年11月15日
Published Date 2021/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202500
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要旨 腓腹筋近位側に生じる筋膜内解離の病態は稀であり,また運動療法についての報告はない.今回,腓腹筋内側頭の筋膜内解離を生じたスポーツ活動を行う学齢期の症例に対し,損傷部位が脆弱な時期は離開ストレスが加わらないように考慮した腓腹筋内側頭のストレッチングや,弾力包帯による圧迫を実施した.また損傷組織の安定性の獲得や筋力低下の予防,循環を促し血腫の吸収を促進する目的で,疼痛のない範囲での腓腹筋の反復収縮と補高を施行し荷重を促した.さらに,損傷部位が離開しないか超音波画像診断装置で適宜確認しながら荷重負荷を設定した.損傷部位が安定する時期までに関節可動域制限や筋力低下の改善を行えたことで,すみやかにスポーツ復帰できたと考えた.損傷部位や創傷治癒過程を考慮し,その時期に合った運動療法を展開することは,再発を防止し組織の安定化と機能を改善することができる.また損傷部位の同定や創傷治癒過程の評価,再発の有無の観点からも,超音波画像診断装置は有用なツールであると考えられた.
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