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症例報告
リバース型人工肩関節置換術後におけるリハビリテーション—肩関節挙上時前方詰まり感に対する超音波画像診断装置を用いた評価・治療の一考察
Rehabilitation after reverse shoulder arthroplasty: a study on evaluation and treatment using an ultrasound imaging device for assessment of restricted mobility in shoulder elevation
氷見 量
1
,
中嶋 康之
1
Ryo Himi
1
,
Kouyuki Nakashima
1
1千葉こどもとおとなの整形外科リハビリテーション科
キーワード:
リバース型人工肩関節置換術
,
リハビリテーション
,
超音波画像診断装置
,
術後瘢痕組織
Keyword:
リバース型人工肩関節置換術
,
リハビリテーション
,
超音波画像診断装置
,
術後瘢痕組織
pp.1007-1013
発行日 2023年8月15日
Published Date 2023/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551203167
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要旨 リバース型人工肩関節置換術の術後理学療法では,術創部周囲の癒着予防や肩甲帯周囲の機能改善が挙上角度獲得に重要な要素であるとされる.今回,リバース型人工肩関節置換術にL'Episcopo変法が併用された症例を経験した.本症例において,先行報告を参考にした運動療法と大円筋・広背筋移行腱への介入を術後4週目より実施した結果,自動屈曲可動域は85°から125°と改善を認めた.しかし,屈曲最終域における肩関節前方での詰まり感が残存していた.再評価として超音波画像診断装置を用い,詰まりを訴えていた烏口突起周囲の動態を確認したところ,同部位に瘢痕組織の存在と特徴的な所見を動態にて確認した.同部位の瘢痕組織に対する運動療法を追加した結果,術後32週で屈曲140°と改善を認めるとともに詰まり感も消失した.術後早期よりリバース型人工肩関節特有の円滑な関節運動が行われなかったことで,烏口突起周囲に瘢痕形成が生じ,このことが関節可動域制限や前方詰まり感の要因と考えられた.
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