Japanese
English
研究と報告
アキレス腱切断マウスの腱と筋組織の組織学的変化
Histological Changes on Achilles Tendon and Gastrocnemius Muscle fellowing Tenotomy in the Mouse.
弓削 類
1
,
浦辺 幸夫
1
,
川真田 聖一
1
,
片岡 勝子
2
,
Martin Thomas P
3
Louis Yuge
1
,
Yukio Urabe
1
,
Seiichi Kawamata
1
,
Katsuko Kataoka
2
,
Thomas P Martin
3
1広島大学医学部保健学科理学療法学専攻
2広島大学医学部解剖学第2講座
3アルバータ大学リハビリテーション医学部
1Institute of Health Sciences, Hiroshima University School of Medicine
2Department of Anatomy, Hiroshima University School of Medicine
3Faculty of Rehabilitation Medicine, University of Alberta
キーワード:
マウス
,
アキレス腱
,
腓腹筋
,
腱修復
,
筋萎縮
,
組織学
Keyword:
マウス
,
アキレス腱
,
腓腹筋
,
腱修復
,
筋萎縮
,
組織学
pp.169-175
発行日 1996年2月10日
Published Date 1996/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108045
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はじめに
アキレス腱断裂は日常の診療場面やスポーツ現場において頻繁に遭遇する外傷である.アキレス腱断裂の治療法としては,観血的(手術)療法と保存的療法という考えの異なる療法が一般に行われている1,2).
手術的腱縫合は断端間の不連続や再断裂の危険性を減らし,固定期間も保存療法より短いなどの利点があり,スポーツ選手の治療などに好んで用いられる.一方,保存療法は断端間の陥凹や感染の危険がなく,観血的療法と比べて術後成績に差がないことから,一般中高年者などのアキレス腱断裂の治療に用いられることが多く,症例ごとにこれらの治療法が選択されている.
理学療法は,これら治療方法による回復過程の差異を考慮して治療プログラムを組み,施行する必要がある.そのためアキレス腱断裂後の腱および筋の組織,細胞レベルにおける変化を知ることは重要である.
従来,アキレス腱切断を用いた基礎医学領域の報告は多数あるが,その内容は主に骨格筋の廃用性萎縮,筋線維のタイプ組成や電気生理学的な変化についての研究が多く4-12),切断腱の修復や筋の変化との関連から観察したものは少ない.今回われわれはマウスのアキレス腱を切断し,腱切断後縫合操作を行わずにアキレス腱と腓腹筋の経時的変化を組織学的に検討したので報告する.
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