Close-up 転倒予防に活かすバランス評価
在宅生活での転倒予防に活かすバランス評価
小暮 英輔
1
Eisuke KOGURE
1
1リハビリ推進センター株式会社 板橋リハビリ訪問看護ステーション
キーワード:
訪問リハビリテーション
,
バランス評価
,
環境設定
,
転倒予防
Keyword:
訪問リハビリテーション
,
バランス評価
,
環境設定
,
転倒予防
pp.1121-1124
発行日 2021年10月15日
Published Date 2021/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202460
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はじめに
本邦における要介護高齢者は増加傾向1)であり,訪問リハビリテーションを必要としている者も年々増えている.介護を必要としている要因として転倒が18.7%1)を占める.訪問リハビリテーションの対象となる要介護高齢者を対象にした調査では,転倒率が25.3%であり,そのうち骨折した者は9.7%と報告されている2).このように,転倒により骨折を受傷しさらなる心身機能低下を引き起こす可能性があることから,在宅における転倒予防に活かすためのバランス評価は重要と考える.
東京消防庁3)によると高齢者の転倒発生場所は,居間・寝室,玄関・勝手口,廊下・縁側・通路,トイレ・洗面,台所・ダイニングの順に多いと言われている.転倒要因はさまざまな要因が複合して生じており,バランス能力などの身体的要因のほかに認知機能,服薬状況4)も影響するので生活動作の自立基準について明確に述べるのは難しい.また,在宅における訪問リハビリテーションは,1回40〜60分であることが多く,週1〜2回の頻度であるため,短時間かつ簡便にバランス,動作観察,環境設定についての評価が必要となる.本稿では,筆者が訪問リハビリテーションで使用しているバランス評価,それを補う環境設定について述べる.
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