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特集 Onco-Nephrology—がん治療の最新フロンティア
Ⅱ.がん治療と腎障害
がん治療による急性腎障害
AKI by anticancer drug
櫻井 仁子
1
,
花房 規男
1
Satoko Sakurai
1
,
Norio Hanafusa
1
1東京大学医学部附属病院腎臓・内分泌内科
キーワード:
AKI(急性腎障害)
,
抗がん剤
,
TMA(血栓性微小血管障害症)
Keyword:
AKI(急性腎障害)
,
抗がん剤
,
TMA(血栓性微小血管障害症)
pp.546-551
発行日 2015年6月20日
Published Date 2015/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205386
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要旨 抗がん剤による急性腎障害には薬剤によってさまざまな機序がある。有名な薬剤として,シスプラチン,メトトレキサート,マイトマイシンCなどがあり,機序として急性尿細管壊死や血管障害による腎障害,尿細管の閉塞などが挙げられる。血管障害に起因するものとして血栓性微小血管障害症(TMA)が有名であり,TMAは死に至る可能性が高い,きわめて重篤な疾患である。また,関連する薬剤としてビスホスホネートも急性腎障害(AKI)を起こし得ることに注意が必要となる。
治療はまず原因薬物の中止や減量,補液が中心となる。また,種々の薬剤により対応も変化する。患者の腎機能を把握し,適した量での治療およびモニタリングが重要であり,AKIを慢性腎臓病にしないことが大切である。
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