Close-up 理学療法士としての有意義な「同職種連携」
理学療法士を育てる—養成校と実習指導者の同職種連携/①養成校の視点から/②実習指導者の視点から
玉利 誠
1
,
小林 賢
2
Makoto TAMARI
1
,
Ken KOBAYASHI
2
1国際医療福祉大学大学院
2慶應義塾大学病院リハビリテーション科
キーワード:
実習目標
,
指導方法
,
到達水準
,
シームレス化
,
カリキュラム
,
モチベーション
,
個別学習
Keyword:
実習目標
,
指導方法
,
到達水準
,
シームレス化
,
カリキュラム
,
モチベーション
,
個別学習
pp.1446-1449
発行日 2020年12月15日
Published Date 2020/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202146
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はじめに
これまでの養成施設卒業時の到達目標と臨床実習の関係を振り返ると,養成施設卒業時の到達目標のミニマムは「基本的理学療法を独立して行えるレベル(臨床実習教育の手引き 第4版,2000年)」とされ,評価実習と総合臨床実習に多くの時間が割かれてきた.また,実習施設には養成校から1名の学生が配置され,学生は実習期間中に1〜2名の患者を担当し,その理学療法過程をレポートにまとめるというスタイルが広く行われてきた.
しかしながら,そうした臨床実習教育のなかで,無資格である学生が単独で理学療法を行うことに関するコンプライアンスの問題や,患者の権利保護の問題,臨床実習指導者の権威的指導や学生のメンタルヘルスの問題などが指摘されるようになり,また,在院日数の短縮や複合疾患を有する患者の増加といった患者像の変化も加わり,従来の到達目標と臨床実習形態の見直しが求められるようになった.そのため,養成施設卒業時の到達目標のミニマムは「基本的理学療法をある程度の助言・指導のもとに行えるレベル(臨床実習教育の手引き 第5版,2007年)」に改められ,また,評価実習や総合臨床実習の前に見学実習や検査測定実習を実施するなど,早期から段階的に臨床経験を積ませる養成校も増え,養成校と臨床実習指導者が情報交換を行う臨床実習指導者会議や実習施設訪問も頻繁に行われるようになった.
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