連載 臨床実習サブノート 運動器疾患の術後評価のポイント—これだけは押さえておこう!・5
変形性膝関節症—人工膝関節全置換術
早川 雅代
1
Masayo HAYAKAWA
1
1医療法人社団JSI昭島整形外科
pp.960-966
発行日 2020年8月15日
Published Date 2020/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202014
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はじめに
変形性膝関節症(osteoarthritis of the knee:膝OA)患者の主訴は疼痛です1,2).保存療法で奏効しない場合は手術療法が適応となります.一般的な手術療法は,高位脛骨骨切り術(high tibial osteotomy:HTO)や単顆型人工関節置換術(unicompartmental knee arthroplasty:UKA),人工膝関節全置換術(total knee arthroplasty:TKA)が挙げられます.
TKAは,末期膝OAや関節リウマチに代表される関節病変に対する外科的治療法の1つとして確立されています3).本邦におけるTKAの件数は年間約10万件を超え,世界中で急速に増加傾向にあります4).TKAの主な目的は,除痛や内外反変形の矯正,支持性の獲得,関節可動域の改善です5).長期成績は15年以上が90%以上と安定していますが6),術後疼痛や可動域制限に悩まされる例も少なくないのが現状です7).
本稿では,膝OAに対するTKAの術式とTKA後の評価項目について述べます.
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