書評
—八木麻衣子,岩﨑裕子,亀川雅人(編集)—「リハセラピストのためのやさしい経営学(マネジメント)」
千葉 一雄
1
1大阪府理学療法士会生涯学習センター
pp.839
発行日 2020年7月15日
Published Date 2020/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201979
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リハマネージャーが行き詰まったときに読みたい実践書
マネジャー業務の1つに職場改善の取り組みがある.マネジャーはリハビリテーション分野で働くスタッフの勤務負担を軽減し,やりがいのある職場にしたい.一方,患者からは質の高い医療を提供してほしいと期待され,経営者からはコストの適正化と経営の質を高める組織目的の実現を求められる.リハスタッフ,患者,経営者の三者にとってwin-win-winの関係をバランスよく高める職場環境にするには,「何を」「どこまで」考え,スタッフの協力をどのように得て運営するのか,課題が複雑で悩みが多い.マネジメントに関係する書籍はビジネス系の一般書が多く,リハ部門運営の舵取りに直接的に当てはまらないと感じていた.
そこに本書は,リハ施設で比較的多い職員の“あるある”問題を「こんな場面に経営学」の項にトップバッターとして登場させ,読者の共感に訴え,本書の魅力をアピールしている.馴染みの薄い経営学理論を,職場にある「問題解決」のプロセスに落とし込み,解決するための実践方法のヒントが満載されている.
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