発行日 1963年2月20日
Published Date 1963/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203022
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先生ほど生涯を自分の天職に忠実に捧げつくした人も珍らしいと思う.それで一見先生には,余暇や,道楽というものは殆んど無かつたように印象づけられている.しかしそのような謹直な大学教授生活にも永い間には幾多の「ユーモア」が秘められてあつた.これも私自身の経験したとつときの秘話である.
当時赤岩外科教室の手術日は必ず三台の手術台で午前8時半に一斉執刀する慣わしであつた.その日も,私に予定されている先生の助手をすまし,「やれやれ」の解放感を以て屋上に新鮮な空気を呼吸し,浩然となつていた.と,けたたましい小鳥の悲鳴(?)と羽搏の音がする.これはただごとではない.
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