特集 急性期理学療法の今—育成・働き方・連携・エビデンス
拝啓,急性期理学療法士様—① 集中治療専門医より/② 急性・重症患者看護専門看護師より/③ 回復期リハビリテーション病棟より/④ 訪問リハビリテーション部より
須賀 将文
1
,
瀬尾 龍太郎
2
,
宇都宮 明美
3
,
三浦 創
4
,
小林 琢
5,6
Masafumi SUGA
1
,
Ryutaro SEO
2
,
Akemi UTSUNOMIYA
3
,
Hajime MIURA
4
,
Taku KOBAYASHI
5,6
1兵庫県災害医療センター救急部
2神戸市立医療センター中央市民病院救命救急センター
3京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻臨床看護学講座クリティカルケア看護学分野
4医療法人社団輝生会船橋市立リハビリテーション病院
5ゆみのハートクリニック訪問リハビリテーション部
6桜美林大学大学院老年学研究科老年学専攻博士前期課程
pp.38-49
発行日 2020年1月15日
Published Date 2020/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201767
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協同して早期離床を進めていくために
集中治療室(intensive care unit:ICU)における早期リハビリテーション介入が重症患者の身体機能および精神機能によい効果をもたらすと言われています1).ICU-acquired weakness(ICU-AW)や集中治療後症候群(post intensive care syndrome:PICS)の“管理”において,早期離床の重要性が強調されています2).ICUにおいては,多職種でのチームアプローチを基盤とした積極的な早期離床が求められているのです.
その反面,重要と言われながら,実際にICUでの早期離床を導入していくのはそう簡単ではありません.リハビリテーションに対する多職種の連携や協働には多くの課題があるのが実情です.表1に早期離床を進めるうえで生じる障壁や,それを解決させる要素を示します3).このような障壁を各ICUのスタッフが一丸となって克服していかなければ,ICUにおいて早期離床を進めていくことはできません.このなかには,やっかいなことにわれわれ集中治療専門医が一見気づきにくい障壁もあるようです.ですので,医師側が気づいていない障壁があれば遠慮なく共有してください.多職種でのチームとして一緒に解決策を相談していきましょう.
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