Japanese
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特集 総合病院におけるリハビリテーション—急性期を中心に
急性期重症患者に対するリハビリテーションと連携
Rehabilitation and medical cooperation for acute critically ill patients:Acute rehabilitation in general hospital.
佐々木 信幸
1
Nobuyuki Sasaki
1
1東京都立墨東病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, International University of Health and Welfare Atami Hospital
キーワード:
急性期
,
救命救急
,
ICU-AW
Keyword:
急性期
,
救命救急
,
ICU-AW
pp.929-935
発行日 2014年10月10日
Published Date 2014/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200017
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はじめに
一般的なリハビリテーションに対するイメージとは“全身状態が改善した後の機能訓練”であろう.医療従事者においても同様の認識は根強く残っており,この点が急性期医療におけるわれわれリハビリテーション医師との認識の乖離につながっている.「元気になって内科的外科的治療は落ち着いたのでそろそろリハビリテーションを開始してください」といったような依頼は多くのリハビリテーション医師が日常的に経験しているはずである.
医療保険上リハビリテーション資源が最も投入される回復期病棟の機能はまさに“落ち着いた”患者を想定しているため,この認識は一概に誤りとはいえない.しかしその回復期病棟に移るための条件をクリアするためには急性期からの適切なリハビリテーションが必須である.そもそも急性期リハビリテーション・回復期リハビリテーションなどという区分に臨床的意義はなく,本来リハビリテーションは急性期から途切れなく続く一本道でなければならない.そのためにはまず早期リハビリテーション開始を常識化するためのシステムの構築,そして実際の急性期リハビリテーション場面における専門的リハビリテーション知識の啓発,最後に良好なアウトカムを他職種に実感してもらうことによる好循環への転換が必要である.本稿では特に急性期重症患者に対するリハビリテーション介入上の注意を述べ,筆者の前職場である東京都立墨東病院の救命救急センター(以下,当院)におけるリハビリテーション連携システムを紹介させていただく.
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