1ページ講座 理学療法関連用語〜正しい意味がわかりますか?
複合性局所疼痛症候群 complex regional pain syndrome(CRPS)
黒澤 和生
1
1国際医療福祉大学小田原保健医療学部
pp.593
発行日 2019年6月15日
Published Date 2019/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201576
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■概要
複合性局所疼痛症候群(complex regional pain syndrome:CRPS)はこれまで,causalgia,反射性交感神経性ジストロフィー(reflex sympathetic dystrophy:RSD)と言われてきた病態が多様で変化しやすいために,さまざまな呼称や定義がなされてきた1).1994年,国際疼痛学会(International Association for the Study of Pain:IASP)は,慢性疼痛として分類されているcausalgia(灼熱痛),RSDなど,「骨折などの外傷や神経損傷の後に疼痛が持続する症候群」で,浮腫や皮膚温変化,発汗異常などの交感神経機能亢進を示す疼痛疾患の総称をCRPSとして定義した.CRPSの「complex」は,自発性あるいは誘発性の灼けるような痛みが長期に持続し,臨床症状が複合的な変化を来すことを意味することより,本症候群の名称に入れられた.CRPSは,神経損傷の有無により,タイプⅠ(従来RSD),タイプⅡ(従来causalgia:末梢神経損傷後)という2つに分類された2).
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