Japanese
English
特集 最近のトピックス2008 Clinical Dermatology 2008
1. 最近話題の皮膚疾患
複合性局所疼痛症候群(complex regional pain syndrome)の皮膚症状
Dermatological symptoms and signs of complex regional pain syndrome
荒木 絵里
1
,
西川 深雪
1
,
谷岡 未樹
1
,
宮地 良樹
1
,
宇谷 厚志
1
Eri ARAKI
1
,
Miyuki NISHIKAWA
1
,
Miki TANIOKA
1
,
Yoshiki MIYACHI
1
,
Atsushi UTANI
1
1京都大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kyoto University School of Medicine, Kyoto, Japan
キーワード:
複合性局所疼痛症候群(CRPS)
,
反射性交感神経性ジストロフィ(RSD)
,
疼痛
,
浮腫
,
皮膚萎縮
Keyword:
複合性局所疼痛症候群(CRPS)
,
反射性交感神経性ジストロフィ(RSD)
,
疼痛
,
浮腫
,
皮膚萎縮
pp.8-12
発行日 2008年4月10日
Published Date 2008/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101935
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 複合性局所疼痛症候群(CRPS)は外傷などを契機に主に四肢に発症する,進行性の慢性疼痛性疾患である.進行すれば耐えがたい痛みに加え,不可逆的な廃用障害が起こり,ADL (activity of daily living)の低下を招く.CRPS発症の予測は困難であり,皮膚生検や静脈採血程度の侵襲も誘因となりうる.発症後は可能な限り早期に治療を開始することが重要とされている.われわれは,強皮症様の皮膚変化を呈した症例,および進行性の斑状の皮膚萎縮を主訴に受診してCRPSと診断された症例を経験した.CRPSは浮腫,皮膚色・皮膚温・発汗の異常,皮膚・毛・爪の萎縮など多様な皮膚所見を呈するため,これらが診断の契機となる場合がある.したがって,皮膚科医も診断のポイントを熟知し,CRPSの疑いのある症例については迅速に麻酔科・ペインクリニックへのコンサルトを行うべきである.
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.