臨床のコツ・私の裏ワザ
後頭下筋群を段階的に触診するためのコツ
上田 泰久
1
1文京学院大学保健医療技術学部理学療法学科
pp.588-589
発行日 2019年6月15日
Published Date 2019/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201573
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後頸部の筋の走行
後頸部には,浅背筋である僧帽筋下行部(後頭骨;第1-7頸椎の棘突起〜鎖骨外側3分の1に付着)が走行します.僧帽筋下行部と胸鎖乳突筋(後頭骨の上項線;側頭骨の乳様突起〜胸骨頭は胸骨柄,鎖骨頭は鎖骨内側3分の1に付着)の間には,深背筋である頭半棘筋(上位6胸椎横突起;下位3-4頸椎の関節突起〜後頭骨の上項線と下項線の間に付着)と頭板状筋(下位5頸椎の項靱帯;上位2-3胸椎棘突起〜側頭骨の乳様突起・後頭骨の上項線外側部に付着)が走行します.後頭下筋群は僧帽筋下行部・頭半棘筋あるいは頭板状筋のさらに深層を走行します.この後頭下筋群の筋緊張が亢進すると,大後頭神経が絞扼されて頭痛を引き起こすことがあります.そのため後頭下筋群の筋緊張について,段階的に触診して評価できることが重要です.
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