とびら
成長
小川 智也
1
1公立陶生病院第二理学療法室
pp.327
発行日 2019年4月15日
Published Date 2019/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201500
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われわれ理学療法士は知識や技術を糧とした専門職であり,職種としての興味や魅力があり,自分なりの価値を見出そうとしてこの業界に入ってきたのであろう.しかし,年月を積み重ね,満たされてしまうとその魅力が薄れてしまい,ただ単純作業として動いているようになってしまう.時には日々の積み重ねを振り返ることが大切である.自分がどんなことを,どの程度行ってきたのか.その内容は十分であったか,もっとよい効果的な方法があったのか,などである.
われわれがかかわる患者さんは,担当する多くのなかの1人だが,患者さんにとっては唯一の理学療法士なのである.同じ疾患でも患者さんそれぞれの身体的,精神的状態が違うことに敏感になる必要があり,1人ひとり丁寧に診ていくことが大切である.そのことで新たな経験が積み重ねられ,知識技術の向上につながっていく.ただ人数をこなしているだけでは自身の向上にはつながらない.丁寧に診ていくことで初めて,患者さんから学ばせてもらうことができると考える.
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