Japanese
English
症例報告
皮膚温変化が治療経過を反映した複合性局所疼痛症候群の一例—患肢の無視様症状に着目して
Change in skin temperature on affected limb in a case of complex regional pain syndrome: Focus on neglect-like syndrome of affected limb
会津 直樹
1,2
,
大内田 裕
2
,
村木 孝行
1,2
,
山本 宣幸
3
,
出江 紳一
2,4
Naoki Aizu
1,2
1東北大学病院リハビリテーション部
2東北大学大学院医学系研究科肢体不自由学分野
3東北大学病院整形外科
4東北大学大学院医工学研究科リハビリテーション医工学分野
キーワード:
複合性局所疼痛症候群
,
皮膚温
,
無視様症状
,
疼痛
Keyword:
複合性局所疼痛症候群
,
皮膚温
,
無視様症状
,
疼痛
pp.201-205
発行日 2019年2月15日
Published Date 2019/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201464
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要旨 一側上肢に生じた複合性局所疼痛症候群(complex regional pain syndrome:CRPS)に対し,理学療法介入を実施した結果,疼痛および自己身体への無視様症状が軽減し,疼痛と皮膚温との間に一定の関係がみられたので報告する.患側手の皮膚温が高く,患肢の無視様症状を呈したCRPS患者1名を対象に,理学療法介入として段階的運動イメージと関節可動域練習(range of motion exercise:ROM ex)を行い,評価として疼痛の強度をNumerical rating scale,手背皮膚温をサーモグラフィ,無視様症状は質問紙を用いて評価した.結果,段階的運動イメージ後とROM ex後で疼痛と患側手背皮膚温の変化が同様に推移した.さらに,6週間継続して介入した結果,疼痛と手背皮膚温患健差が減少し,4週経過時で患肢の無視様症状が消失した.客観的な生理指標である皮膚温を患者に提示することで,介入効果を患者本人が実感できた.さらに,CRPSの自己身体意識の改善に着目した介入の重要性が示唆された.
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