Japanese
English
症例
左下腿に蜂窩織炎様を呈し,四肢に拡大した複合性局所疼痛症候群(CRPS)の1例
Complex Regional Pain Syndrome Presenting with Phlegmone-like Lesion of the Left Leg Followed by the Disease of the Four Limbs
荒尾 和哉
1
,
金山 まりか
1
,
米山 寿子
1
,
佐藤 勘治
1
,
齊藤 典充
1
Kazuya ARAO
1
,
Marika KANAYAMA
1
,
Hisako YONEYAMA
1
,
Kanji SATO
1
,
Norimitsu SAITO
1
1労働者健康安全機構横浜労災病院,皮膚科(主任:齊藤典充部長)
キーワード:
複合性局所疼痛症候群
,
complex regional pain syndrome
,
蜂窩織炎
,
ステロイド剤
,
採血
,
点滴刺入
Keyword:
複合性局所疼痛症候群
,
complex regional pain syndrome
,
蜂窩織炎
,
ステロイド剤
,
採血
,
点滴刺入
pp.2016-2019
発行日 2019年12月1日
Published Date 2019/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001726
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21歳,女性。1カ月前より左下腿に激痛を伴う紫斑が出現した。初診時,左下腿の熱感,腫脹,融合傾向の拇指頭大までの激痛を伴う紫斑が散在していた。病理所見は凍瘡に類似していた。各種検査を施行するも特異的な異常所見なし。経過中に両前腕の採血と点滴刺入部位や右下腿にも同様の激痛を伴う紫斑が新生し,複合性局所疼痛症候群と診断した。安静,下肢挙上,プレガバリン内服,神経ブロックが奏効した。自験例は既往にいくつかの精神疾患と家庭内トラブルがあり,交感神経の過敏状態が発症に寄与したと考えた。本疾患は,麻酔科や整形外科からの報告例は多いが,皮膚科からの報告は少ない。診断の遅れに対する訴訟事例もあり,本疾患を疑った場合には早期加療と麻酔科への紹介が望ましい。
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