講座 理学療法に関するガイドラインupdate 2・2
理学療法に関するガイドラインupdate—循環器疾患
根本 慎司
1
,
笠原 酉介
1
Shinji Nemoto
1
1聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院リハビリテーション部
キーワード:
理学療法
,
ガイドライン
,
心臓リハビリテーション
,
心筋梗塞
,
心不全
Keyword:
理学療法
,
ガイドライン
,
心臓リハビリテーション
,
心筋梗塞
,
心不全
pp.183-194
発行日 2019年2月15日
Published Date 2019/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201461
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
循環器疾患に関する理学療法診療のガイドラインとして,2011年に日本理学療法士協会による『心大血管疾患 理学療法診療ガイドライン』1)が作成された.本ガイドラインでは,循環器疾患における理学療法診療上,必要不可欠な評価項目ならびに介入方法を簡潔に提示しているため,日々の多忙な臨床業務の際にも,利用しやすい内容となっている.なお,このガイドラインは,日本循環器学会およびAmerican Heart Association(AHA)などが推奨している循環器疾患に対するリハビリテーションおよび運動療法に関するガイドラインなどを参考に作成されている2,3).つまり,広義の意味では,循環器疾患における理学療法に関するガイドラインとは,循環器疾患に対するリハビリテーションや運動療法に関するガイドラインも含まれると言える.そのため,本稿においても,『心大血管疾患 理学療法診療ガイドライン』のみならず,循環器領域におけるリハビリテーションや運動療法の最新のガイドラインやステートメントを紹介するとともに,それらのガイドラインを臨床で用いるうえでの留意すべき点を疾患別に解説していく.
なお,本邦では,循環器疾患に対するリハビリテーション,いわゆる心臓リハビリテーションは,第Ⅰ相(急性期心臓リハビリテーション),前期第Ⅱ相(前期回復期心臓リハビリテーション),後期第Ⅱ相(後期回復期心臓リハビリテーション),第Ⅲ相(維持期心臓リハビリテーション)に分けられるため(表1)4),本稿においてもこれらのフェーズに準じて解説する.
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.