特集 地域に広がる心臓リハビリテーション
訪問心臓リハビリテーションと理学療法
鬼村 優一
1,2
,
古田 哲朗
1
,
弓野 大
3
,
小針 幸子
4
Yuichi Onimura
1,2
1ゆみのハートクリニック訪問リハビリテーション部
2筑波大学大学院人間総合科学研究科
3ゆみのハートクリニック在宅診療部
4ゆみのハートクリニック検査科
キーワード:
高齢心不全
,
モニタリング
,
身体活動
,
セルフケア
Keyword:
高齢心不全
,
モニタリング
,
身体活動
,
セルフケア
pp.525-532
発行日 2018年6月15日
Published Date 2018/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201217
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はじめに
心臓リハビリテーションとは,「心血管疾患患者の身体的・心理的・社会的・職業的状態を改善し,基礎にある動脈硬化や心不全の病態の進行を抑制あるいは軽減し,再発・再入院・死亡を減少させ,快適で活動的な生活を実現することをめざす」1)と定義されている.その定義から考えると,在宅の場で行うことも例外ではないと考えられる.ゆみのハートクリニック(以下,当院)では,特に心不全患者が住み慣れた自宅で最期まで穏やかに生活できるように,多職種心不全クリニックとしてさまざまな取り組みを行っている.心不全患者に対する訪問心臓リハビリテーションもその取り組みの1つである.
心不全患者の臨床経過と管理のねらいを図1に示した2).心不全は急性増悪を繰り返しながら徐々に心機能を低下させ最終的に死に至る慢性疾患である.そのため,心不全管理の目標は,① 心機能の低下を可能な限り緩徐にすること,② 急性増悪の頻度を抑えること,③ 急性増悪の程度を抑えることである.よって訪問心臓リハビリテーションも良好な心不全管理に貢献することに寄与しつつ,患者自身が「心不全とともにその人らしく生活すること」をめざしてさまざまな取り組みを行っている.本稿では在宅心不全患者に対する理学療法士による訪問心臓リハビリテーションに関して,症例をまじえて解説する.
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