臨床実習サブノート 歩行のみかた・12
大腿切断—膝継手を知れば大腿義足歩行のみかたが変わる
別役 訓子
1
Satoko Betsuyaku
1
1国立障害者リハビリテーションセンター
pp.253-261
発行日 2018年3月15日
Published Date 2018/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201149
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はじめに
膝継手とは人工の膝関節にあたるものであり,切断者のコントロール下でその機能を代行しています.大腿切断者における歩行獲得には義足側での立脚の安定性が重要となります.安心して義足に荷重するには膝継手をいかにコントロールできるかが鍵となります.
義足歩行の練習,特に初期における膝折れは,恐怖感を与え,義足への信頼が失われてしまう危険性が高く,不安感が強いと上手な義足歩行の獲得は困難となります.また近年,切断原因が末梢循環障害に起因している症例が増加,また高齢化も進んでおり低活動者に向けた安全性の高い膝継手が開発され実用化が進んでいます.
立脚相での安定を図る膝継手を使うことで,随意コントロール能力が低い切断者でも膝折れを起こさずに歩行が可能となってきました.この安定を図る機構にはブレーキ構造,多軸構造等の種類があります.これらの機構を有効に発揮するには,その特性を十分に理解する必要があります.
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