オリパラ関連企画 理学療法士が知っておきたい重要なスポーツ動作・1【新連載】
投球動作と肘関節障害
坂田 淳
1
1横浜市スポーツ医科学センターリハビリテーション科
pp.48-49
発行日 2018年1月15日
Published Date 2018/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201090
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現場で投球動作を観察する際,はじめに「肘下がり」や「手投げ」といった投球障害につながる上肢の異常運動を把握することが重要である.「肘下がり」は足接地時から肩最大外旋までに肩外転角が減少し,両肩の高さよりも肘が低くなる動作を指し,肘内側障害発生の原因となる(図1)1).「手投げ」は上肢に依存した投球動作を指し,肩最大外旋からリリースまでに肩水平内転角が増大してリリースする(図2).肘外側障害発生の原因となる可能性がある2)ほか,リリース後に肘が伸展強制され,肘後方障害の原因にもなる.
上肢の異常運動は,円背姿勢や肩の柔軟性低下など上肢の運動に直接関与する機能不全に起因するほか,体幹の過剰な側屈や早期回旋,骨盤の回旋不足など,骨盤・体幹運動のタイミング異常や運動量の過不足が原因であることが多い3).さらに骨盤・体幹の異常運動は,下肢の安定性低下や股関節の柔軟性が原因となる.
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