特集 野球肩診療の最前線
投球動作のメカニクスと投球障害の発症メカニズム
瀬戸口 芳正
1
1医療法人MSMCみどりクリニック院長
キーワード:
close packed position(CPP)
,
loose packed position(LPP)
,
spin motion concept
,
close packed follow through(CPFT)
,
loose packed follow through(LPFT)
Keyword:
close packed position(CPP)
,
loose packed position(LPP)
,
spin motion concept
,
close packed follow through(CPFT)
,
loose packed follow through(LPFT)
pp.982-990
発行日 2021年10月19日
Published Date 2021/10/19
DOI https://doi.org/10.18885/JJS.0000000742
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投球中の肩甲上腕関節は柔から剛,そして柔へと変化する。内外旋によって関節上腕靱帯・関節包の緊張は変化し,内外旋の中間域では緩く不安定であり終動域では緊張が最大になり安定する。こうした関節の様態の変化と作用するトルクや慣性のタイミングを考慮することが関節内インピンジメントやリリース時の牽引による肩障害の理解を助ける。加速期の7,200 deg/secの高速の内旋では,回転中心は上腕骨長軸であり骨頭は頚体角のために円錐状の運動をする。関節唇は,求心位から偏位しさらに円錐運動をする骨頭と臼蓋の間で半月板のように引き裂かれる。関節内インピンジメントと牽引による肩障害は関節の緊張と応力のタイミングを狂わせるフォームや機能障害について検討し,関節唇損傷は骨頭の偏位を引き起こす機能障害や動的マルアライメントについて検討することが治療のポイントになる。ジュニア期の投球障害はコントロール重視の手投げが問題であり,身体全体を大きく使った上方への投球が解決の鍵となる。
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