特集 多分野に広がる理学療法
高齢化率40%でもビクともしない街づくり
長谷川 由理
1
Yuri Hasegawa
1
1株式会社風の谷プロジェクト
キーワード:
超高齢社会
,
地域創生
,
リビングラボラトリー
,
未病
Keyword:
超高齢社会
,
地域創生
,
リビングラボラトリー
,
未病
pp.993-996
発行日 2017年11月15日
Published Date 2017/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201032
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起業の目的
2014年8月,神奈川県三浦市に「高齢化率40%でもビクともしない街」をつくることを目的に株式会社風の谷プロジェクト(以下,風の谷プロジェクト)を設立した.三浦市は神奈川県のなかで最も高齢化が進んでいる地域であり,人口高齢化率は35%を超えている.神奈川県内の高齢化率は23.6%,全国平均は26.3%であり,この数値と比較すると三浦市の高齢化が深刻なことがわかる.また,少子高齢化だけでなく,労働人口の流出による地域経済の衰退,地域力の弱体化などの問題も重なり,三浦市は2040年までに消滅する可能性がある自治体として危険視されている.
風の谷プロジェクトのビジョンは「高齢化と衰退の進む地域に暮らす高齢者が,長年住み慣れた場所で楽しく豊かな人生を過ごせるように,介護が必要になった高齢者の生活を地域で支援するシステムを構築する」ことである.しかもこれを公的財源に頼らずに実現することを考え,そのためには在宅高齢者へリハビリテーションを提供する場をつくるとともに,高齢者の生活支援を地域の経済の活性化と一体化させた地域創生ビジネスとして進めることが必要だと考えた.
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