1ページ講座 理学療法関連用語〜正しい意味がわかりますか?
小脳性運動失調評価法(Scale for the Assessment and Rating of Ataxia:SARA)
山内 康太
1
1製鉄記念八幡病院
pp.616
発行日 2017年7月15日
Published Date 2017/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200924
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
運動失調の重症度評価はInternational Cooperative Ataxia Rating Scale(ICARS)が国際基準として用いられていたが,ICARSの評価項目は歩行を含む姿勢障害,四肢失調,言語障害,眼球運動障害の大項目に小項目が19項目と多く,評価に時間を要していた.このため,より簡便な評価として2006年に半定量的な運動失調の評価法であるScale for the Assessment and Rating of Ataxia(SARA)が開発された1).
SARAは開発当初は眼球運動障害を含む9項目で構成されていたが,眼球運動障害における検査の信頼性は低いため除外され,全8項目で構成されている1).評価項目の内訳は歩行(0〜8点),立位(0〜6点),座位(0〜4点),言語(0〜6点),指追い試験(0〜4点),指鼻試験(0〜4点),手の回内・回外運動(0〜4点),踵脛試験(0〜4点)であり,正常0点〜最重症40点とされる.評価項目はICARSに比べ少なく,簡便な検査であり,検査所要時間は約4分とICARSの約3分の1の時間で測定することができると報告されている2).
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.