特集 理学療法のプロフェッショナルをめざして
各分野での継続教育のあり方
1.中枢神経疾患分野のプロフェッショナルを育てる
髙橋 明美
1
Akemi Takahashi
1
1新潟リハビリテーション大学医療学部リハビリテーション学科
キーワード:
中枢神経領域
,
プロフェッショナル育成
,
コンピテンシー
,
根拠に基づく理学療法(EBPT)
,
系統的教育
Keyword:
中枢神経領域
,
プロフェッショナル育成
,
コンピテンシー
,
根拠に基づく理学療法(EBPT)
,
系統的教育
pp.583-587
発行日 2017年7月15日
Published Date 2017/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200914
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はじめに
近年,理学療法士の業務は多様化し,これまでの医療保険領域中心の理学療法から,福祉施設や在宅といった,介護保険を利用する対象者に対する理学療法へと業務が拡大してきた.さらに,健康増進や予防の観点から地域保健や学校・産業領域への参画も求められてきている.
こうした社会の要請に対応するためには,専門職(professional;以下,プロフェッショナル)としての知識や技能をさらに卓越したものとし,高い職業倫理に基づいて業務にあたる必要がある1).日本理学療法士協会の倫理規定のなかに,「理学療法士は,国民の保健・医療・福祉のために,自己の知識,技術,経験を社会のために可能な限り提供しなければならない」,「理学療法士は,専門職として常に研鑽を積み,理学療法の発展に努めなければならない」とある.専門職はこうした倫理観をもつことが使命であり,職責であることを自覚しなければならない.
理学療法のプロフェッショナルを育てるためには,卒前教育から卒後教育,そして生涯教育へと継続的に行い,一貫した教育制度によって社会の要請に対応できる理学療法士を育成していく必要がある.本稿では,プロフェッショナルを育成するために現在行われている教育方法やその課題について述べたうえで,中枢神経疾患分野におけるプロフェッショナル育成について,前述した3つの過程に分けて述べることとする.
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