Japanese
English
症例報告
記憶・言語を伴う道具操作経験により麻痺側上肢の機能向上を認めた慢性期脳卒中患者の1症例
A case of a patient in the chronic phase after stroke who was found to have functional improvement in a paralyzed upper limb as a result of experience with object manipulation along with memory and speech exercises
村部 義哉
1
,
本田 慎一郎
2
,
日下部 洋平
3
,
玉木 義規
4
Yoshiya Murabe
1
1日本リハビリ訪問看護ステーション
2守山市民病院リハビリテーション部
3豊郷病院リハビリテーション部
4甲南病院リハビリテーション部
キーワード:
視覚誘導
,
記憶誘導
,
把握操作運動
,
麻痺側上肢
Keyword:
視覚誘導
,
記憶誘導
,
把握操作運動
,
麻痺側上肢
pp.1057-1062
発行日 2016年11月15日
Published Date 2016/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200720
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要旨 上肢の運動制御には視覚誘導性の到達運動だけではなく,言語や記憶などの認知機能による記憶誘導性の把握操作運動との協調が必要である.それらの協調性の再獲得を意図した介入により改善が得られた1症例を報告する.[症例]左視床出血発症後8か月が経過し,右片麻痺を呈した70代女性.[介入]A期間(0〜2か月)での視覚誘導性・到達運動を中心とした介入では改善が得られなかった.B期間(2〜4か月)での視覚誘導性・記憶誘導性の運動制御と,到達・把握操作運動の協調を目的に,記憶や言語を伴う道具操作練習により改善を認めた.下肢を中心とした介入に切り替えたC期間(4〜6か月)の最終評価時にも治療効果は維持されていた.[結語]各運動制御系や運動の協調的な活用が片麻痺上肢の改善にかかわることが示された.
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