講座 再生医療—現在と未来・2
循環器領域の再生医療の現在と未来—体性幹細胞を用いた循環器領域への可能性と今後のリハビリテーション
岩畔 英樹
1,3
,
山内 仁
2
,
嶋坂 彩
2
,
和田 直子
2
,
土肥 俊子
1
,
傍島 聰
1
,
久留 一郎
3,4
Hideki Iwaguro
1,3
1医療法人再生会そばじまクリニック再生医療センター
2医療法人再生会そばじまクリニックリハビリテーション部門
3鳥取大学大学院医学系研究科再生医療学分野
4鳥取大学医学部次世代高度医療推進センター
キーワード:
ischemic heart disease(虚血性心疾患)
,
adult stem cells(幹細胞)
,
angiogenesis(血管新生)
,
regenerative medicine(再生医療)
Keyword:
ischemic heart disease(虚血性心疾患)
,
adult stem cells(幹細胞)
,
angiogenesis(血管新生)
,
regenerative medicine(再生医療)
pp.781-789
発行日 2016年8月15日
Published Date 2016/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200642
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はじめに
近年の幹細胞研究の進歩はめざましく,胚性幹細胞,組織幹細胞,造血幹細胞などのほか,昨今京都大学のグループによって線維芽細胞に数種類の遺伝子を導入し,胚性幹細胞に類似した万能性を有する人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cells:iPS)が世界で初めて創出された1).しかし,胚性幹細胞やiPS細胞のような万能細胞の臨床応用には倫理性,安全性など検証しなければならない点が多数存在する.
一方,比較的,倫理的問題の少ない体性幹細胞移植は既にいろいろな疾患に対して臨床研究が開始され,一定の成果を出しつつある.
そこで今回,体性幹細胞源(ソース)として用いられているなかでも皮下脂肪組織由来の細胞群(adipose-derived regenerative cells:ADRCs)に注目し,この細胞を用いた循環器領域に対する臨床応用の可能性について報告する.
また本稿では,心疾患のリハビリテーションの現状と再生医療との関連についても概説したい.
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