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書評 —鈴木隆雄(監修)/島田裕之(編)—「基礎からわかる軽度認知障害(MCI)—効果的な認知症予防を目指して」
小野 玲
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1神戸大大学院・保健学研究科
pp.1059
発行日 2015年11月15日
Published Date 2015/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200390
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本邦において,65歳以上の高齢者は全人口の約25%であり,高齢化率は世界一である.なかでも,75歳以上の後期高齢者が増加し,2030年に後期高齢者は5人に1人,2055年には4人に1人と推計されている.後期高齢者が増加する超高齢社会において解決をしなければいけない疾病の一つが認知症である.認知症は年代別にみると75歳未満は10%弱であるが,加齢とともにその有病率は増加し,85歳以上では40%を超えると推計されている.近年の核家族化による家族構成の変化は,認知症患者を支える側の高齢化とも相まって,認知症は本人のみならず介護者の生活に大きな影響を及ぼしている.
現在,認知症の約半数はアルツハイマー型認知症である.残念ながら現時点でアルツハイマー型認知症の根本治療がないのが現状であり,アルツハイマー型認知症をいかに予防するのかが鍵となる.
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