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書評 「基礎からわかる軽度認知障害(MCI)—効果的な認知症予防を目指して」—鈴木 隆雄●監修 島田 裕之●編
山口 晴保
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1群馬大学大学院保健学研究科
pp.1056
発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416200255
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認知症の前段階としての新しい概念である軽度認知障害(mild cognitive impairment:MCI)に関して,スクリーニングから診断・治療・予防介入まで,1冊ですべてがわかる本はこれまでなかったので,本書は必携の書と言えます。まずはMCIの解説から始まり,MCIを検出する方法や必要な認知テストが紹介され,診断方法が続き,MCI・認知症のリスクファクターが解説され,MCIへの治療介入だけでなく,高齢者の認知機能低下を目指した地域保健事業としてのさまざまな予防介入の実践例(ランダム化試験を含む)に至るまで,すべて網羅されています。よって,MCIの概念整理と新しい情報の入手にうってつけです。
副題にある「効果的な認知症予防を目指して」は,まさに今の日本の社会的ニーズに合致した,タイムリーな出版です。この副題が示すように,「認知症になってからでは手遅れ! だからMCIで予防介入する」という基本スタンスが本書で貫かれています。
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