- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
皆様に第49巻4号をお届けします.この号が皆様のお手元に届くころには,来月に控えた第17回世界理学療法連盟(WCPT)学会の準備が佳境に入っている方も少なくないのではないでしょうか? シンガポールで行われる今回のWCPT学会は,1999年に横浜で行われた第13回学会(奈良勲大会長)以来,アジアでは2回目の開催です.ゴールデンウィーク中というお財布には優しくない期間ですが,同じアジアの国での開催ですので,グローバル化する世界を直に感じ将来を展望する意味でも,可能な限り参加してみてはいかがでしょうか.
さて,本号の特集は「世界の理学療法—激動のAsia Western Pacific地区の現状と今後」としました.まず,今回のWCPT学会のホスト国であるシンガポール理学療法士協会会長のCelia Tan氏に読者の方へのWCPT学会へのウェルカムメッセージとシンガポールの現状について解説していただきました.彼女は私の大学院生時代の同僚で,アジアで最も有名な理学療法士の一人です.シンガポールには日本からも多くの医師が留学するようになり,日本以上に裕福で医療環境も進んでいます.今後シンガポールから学ぶことも多くなると思われます.小林夫妻には経済統合をめざす東アジアの現状について詳細な資料とともに解説いただきました.オーストラリア,ニュージーランドの理学療法については,留学経験のある若手理学療法士の三木氏,青柳氏に現場の息吹とともに解説いただいています.近い将来,日本人理学療法士の外国での就労が現実的なものになるかもしれませんが,どちらも高い言葉のハードルがあることに変わりはありません.また,経済発展著しいタイの理学療法事情についてはJICAプロジェクトで参加中の岩田氏に,やはり詳細な資料とともに解説いただきました.どれも興味深いもので,日本にいるだけでは知り得ないその国ならではのお国事情と問題点がわかりやすく解説されています.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.