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編集後記
高橋 哲也
pp.94
発行日 2007年1月15日
Published Date 2007/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100973
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新年,明けましておめでとうございます.昨年は秋篠宮悠仁親王が誕生し,日本中が慶祝ムードとなる一方で,暗いニュースも少なくない1年でした.昨年4月には理学療法士にとっても大きな岐路となる診療報酬の改定がありました.このような時代だからこそ志を高く持ち,明るくポジティブに理学療法を実践していきたいものです.
さて,介護保険制度が2000年に導入されて以来,様々な介護予防事業の取り組みが実践されています.高齢者に対して転倒予防や筋力トレーニングなど運動療法を行う場合は,骨格筋機能や平衡機能に及ぼす影響に加えて,身体全体に及ぼす効果と限界をしっかりと把握して実施していく必要があります.本特集では,高齢者に対する運動療法の効果とその限界について,科学的検証の結果を踏まえて具体的にご解説いただきました.佐藤論文では身体機能の低下についての詳細な解説に加えて,QOL向上や社会参加による生きがい形成など運動療法の可能性についても言及していただきました.山崎論文は,サルコペニアの概念や廃用性筋萎縮の違いに触れ,高齢者の骨格筋機能と運動療法を詳細に解説した力作です.山田論文ではバランス能力の評価や加齢による変化に触れ,自験例から得られたバランス練習の限界や考慮点についても紹介しています.井澤論文と大谷論文ではそれぞれ,循環・代謝と認知機能について高齢者に対する理学療法の新しい可能性を論じています.どの論文も日常臨床に必ず役に立つ保存版となるはずです.
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