新たな50年に向けて いま伝えたいこと・第6回
伊藤日出男
pp.875-879
発行日 2014年9月15日
Published Date 2014/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551106768
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私は弘前大学医学部附属看護学校を卒業し,1961年4月に青森県立あすなろ学園(青森市)の開設に伴って看護士(当時)として就職しました.あすなろ学園は全国で最も遅れて開設された肢体不自由児施設でしたが,この開設は弘前大学整形外科教授の東野修治先生のご尽力によるものでした.東野先生はわが国に作業療法や徒手筋力検査法(MMT)を紹介するなど,リハビリテーションの先駆者として高名な方です.
当時はあすなろ学園長を兼務されていたので,私は月に数回の診療を見学させていただいて,障がいの特徴や療育の理念のようなものを学びました.1965年には理学療法士国家試験の受験資格を得るために,東京の整肢療護園で行われた肢体不自由児療育技術者研修に参加することができました.そして第2回国家試験を受けましたが,実技試験であっさり不合格でした.このとき一緒に受験した県内の仲間が7人いましたが,いずれも実技試験で振り落とされました.その後は研修会をつくるなどして必死に勉強した結果,第3回国家試験にはめでたく全員合格することができました.生涯忘れられない合格通知でした.
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