追悼
伊藤鐡夫先生を偲んで
清水 克時
1
1岐阜大学医学部整形外科
pp.197
発行日 2003年2月1日
Published Date 2003/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408100641
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京都大学医学部整形外科名誉教授,伊藤鐡夫先生は平成14年(2002年)11月13日に89歳でご逝去されました.先生は山口県人で,昭和23年に34歳という若さで山口県立医学専門学校整形外科学講座を創設,その後,昭和32年には広島大学医学部整形外科学講座を創設され,昭和38年12月に母校の京都大学に第5代の整形外科学教授として迎えられました.爾来昭和52年4月にご退官されるまで,人生の大部分を整形外科学教授として過ごされました.私が若いときには,何と幸せなご経歴かと思いましたが,いざ自分が教授をしてみると,こんな大変な仕事を何と長いあいだお続けになったことかと,まことに頭の下がる思いです.
2つの大学の整形外科学教室を開設された先生は,たくさんの整形外科医のルーツであるわけですが,私にとっても,整形外科を志すきっかけをいただいた,かけがえのない先生でした.京大医学部ボート部OBでクラブの部長をしておられた整形外科の赤星義彦助教授が昭和43年に岐阜大学教授としてご転出されました.当時,伊藤教授ご自身は硬式テニスの名手で,ボートのご経験はなかったのですが,空席となったボート部部長職を請われてお受けになりました.当時教養2回生のボート部員であった私は,伊藤鐡夫教授が部長にご就任されたときのことを今でも鮮明におぼえております.
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